本研究は,小学校の通常学級の担任教師の特別支援教育負担意識(以下,負担意識)とメンタルヘルス要因との関連を検討することを目的とした。質問紙調査の結果,負担意識尺度の「不安および負担」と,職場環境ストレッサー尺度の「管理職との葛藤」,「孤立性」,「多忙性」,「非協働性」,バーンアウト尺度の「情緒的消耗感」,「脱人格化」との関連が示された。そこで,職場環境を改善し,同僚とのコミュニケーションを円滑にすることが,障害児を安心して担任するためにも重要であると考えられた。また,負担意識尺度の「やりがいのなさ」と,職場環境ストレッサー尺度の「非協働性」,自己効力感尺度の「生徒理解」,バーンアウト尺度の「達成感の後退」との関連が示された。そこで,教師同士が協働作業を通じて児童の理解を深めていくことが教師の障害児を担任するやりがいにつながる可能性が示唆された。