広島大学心理学研究 Issue 11
published_at 2012-03-31

大学生の心理カウンセラーへの援助要請意図モデルの検討 : 援助要請不安,援助要請期待及び援助要請意図の関連 <論文>

Examining a model of college students' intention of seeking counseling: relations among college students' concerns on seeking counseling, expectations on seeking counseling, and intention of seeking counseling
Nakaoka Chiyuki
Kodama Kenichi
fulltext
1.26 MB
HPR_11_215.pdf
Abstract
本研究の目的は,援助要請不安,援助要請期待,悩みの程度および援助要請意図の関連を共分散構造分析を用いて,定量的・構造的に明らかにすることであった。悩みの存在が,援助要請不安および援助要請期待に影響を及ぼし,さらに,その2変数が援助要請意図に影響を及ぼすと仮定するモデルを構成し,共分散構造分析による解析を行った。その結果,援助要請不安と援助要請意図との間に直接の関連は見られず,悩みの存在が,援助要請意図に影響を及ぼしていること,悩みの存在が,援助要請期待を誘発し,援助要請意図に影響を及ぼしていること,援助要請不安は,援助要請期待を介して,援助要請意図に影響を及ぼしていることが示唆された。これらの結果から,援助要請期待を高める心理教育が,サービスギャップ克服のために有効であることが示された。
Keywords
援助要請不安
援助要請期待
援助要請意図
悩みの程度