広島大学心理学研究 11 号
2012-03-31 発行

ひとり遊びをしている幼児と他者の相互作用の変化 <論文>

The change of interactions between preschool children who are engaged in non-social play and others
德岡 大
全文
872 KB
HPR_11_99.pdf
Abstract
非社会的遊びに従事する幼児は常にひとりで遊んでいるわけではなく,他者とかかわることが先行研究(淡野・前田,2006)で示されている。本研究では,非社会的遊びに従事する3歳児や4歳児と他者の相互作用について観察し,他者を幼児と保育者に分け,幼児同士の相互作用と保育者との相互作用別に検討した。その結果,3歳児では保育者との相互作用が幼児同士の相互作用よりも有意に多かった。非社会的遊びに従事する3歳児から開始された相互作用は,保育者との間では成立しやすいが,他児との間では成立しにくいことが示された。一方,4歳児では3歳児よりも幼児同士の相互作用が成立しやすいことが示された。発達に伴って非社会的遊びの変化をもたらす環境条件に相違があることが示唆された。
著者キーワード
非社会的遊び
自由遊び
幼児