広島大学心理学研究 11 号
2012-03-31 発行

ユーモア表出の類型ごとにみた動機の構造 <論文>

Motivational structure of each humor expression type
塚脇 涼太
全文
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HPR_11_49.pdf
Abstract
本研究の目的は,3類型のユーモア表出ごとに因子分析を行い,動機の構造を検討することであった。分析の結果,全ての類型のユーモア表出において他者の印象を操作するための"印象操作動機"と,他者を支援や援助するための"他者支援動機"が抽出され,これらの動機はユーモア表出の中心的な動機であることが示唆された。また,"印象操作動機"に含まれる項目の内容分析から,3類型のユーモア表出には獲得したい印象の方向性に若干の違いがあることが示唆された。さらに,類型別の動機構造を全体的にみると,自虐的ユーモア表出と遊戯的ユーモア表出は比較的類似した動機構造を有していることが示された。一方で,攻撃的ユーモア表出は,他の2類型のユーモア表出では抽出されない,他者に自己の不満や苛立ちを伝達するための"不満伝達動機"が抽出されるなど,特徴的な動機の構造を有していることが示された。
著者キーワード
ユーモア
ユーモア表出の動機
ユーモア表出の類型