本研究では, 小学校高学年児童を対象に, キャリア意識4領域(人間関係形成, 情報活用, 将来設計, 意思決定)の学年差と性差およびキャリア意識と適応感(自己肯定感, 学習効力感, 学校満足感)の関連について検討した。その結果, キャリア意識の4領域すべてにおいて5年生が6年生よりも高く, 人間関係形成, 情報活用, 将来設計の3領域では女子が男子よりも高かった。また, キャリア意識の4領域はいずれも, 適応感の3下位尺度すべてと有意な正の相関を示した。この結果から, キャリア教育によって児童のキャリア意識が高まれば, 児童の適応感も向上することにつながる可能性が示唆された。