本研究は,日本語版The Positive and Negative Affect Schedule (PANAS)の20項目の信頼性と妥当性を検討することが目的であった。大学生442名を対象に質問紙調査を実施した。因子分析により,ポジティブ感情(10項目)とネガティブ感情(10項目)の2因子構造が示された。妥当性は,人生に対する満足尺度,主観的幸福感尺度,自己記入式抑うつ性尺度,状態不安検査との相関を用いて検討した。その結果,ポジティブ感情は,人生に対する満足尺度および主観的幸福感尺度との問に正の相関関係を示した。他方,ネガティブ感情は,自己記入式抑うつ性尺度および状態不安検査との間に正の相関関係を示した。信頼性は,内的整合性とI-T相関の結果から,信頼性の高さが示された。以上から,日本語版PANAS20項目の信頼性と妥当性が確認された。