広島大学大学院教育学研究科附属教育実践総合センターでは, 平成19年度より現代GP「子どもの心と学び支援プログラムの展開」の一環として, 学習支援を実践するための学生の力量形成に取り組んでいる。本研究では, 平成21年度前期の学習支援プログラムに参加した大学生を対象に, 学習支援プログラムが大学生の力量形成に及ぼす効果について検討した。実際に学習支援を行った担当群15名とそれを観察した観察群20名に質問紙による集合調査を行った。力量形成に関する33項目と, 力量形成以外の学習支援プログラムの効果を測定する15項目に回答させた。学習支援プログラムの参加が, 力量形成の「知識の深まり」「子どもとの関係」「アセスメント」に, 力量形成以外の「満足度」「教育への態度」「教職への態度」に, 特に効果があったと大学生が認識していたことが示された。また, 担当群と観察群を比較した結果, 「保護者との関係」「教職への態度」「満足度」において差がみられた。「保護者との関係」「満足度」では, 担当群の得点のほうが, 「教職への態度」では, 観察群の得点のほうが, 高かった。