広島大学大学院教育学研究科附属教育実践総合センターでは, 平成19年度より現代GP「子どもの心と学び支援プログラムの展開」の一環として, 学習支援を実践するための学生の力量育成に取り組んでいる。本研究では, この学習支援プログラムへの参加による学生の力量形成に及ぼす効果について検討した。2008年5月~7月に, にこにこルームで行われた学習支援プログラムに参加し, 実際に学習支援を行った担当群15名とそれを観察した観察群11名に質問紙調査を行った。学生の力量を6カテゴリーで, それ以外に想定される学習支援プログラムの効果を5カテゴリーで測定した。力量の面では, 担当群, 観察群とも, 特に「子どもとの関係」と「アセスメント」について効果があったと認識していたことが窺えた。また, 担当群と観察群を比較した結果, 「保護者との関係」「知識の深まり」「勉強の自主性」「指導計画」の4カテゴリーにおいて有意差がみられ, 観察群に比べ, 担当群がより高い値を示した。実際に学習支援を行った学生の方が, 力量が形成されたと認識していることが確認された。