広島大学心理学研究 8 号
2009-03-31 発行

悪質商法と詐欺に対する大学生の遭遇経験 <資料>

Encounter experiences with malicious business and fraud among university students
石井 里絵
樋口 匡貴
全文
1.33 MB
HPR_8_197.pdf
Abstract
悪質商法と詐欺に対する大学生の遭遇経験と被害経験の実態を明らかにすることが研究の目的であった。質問紙を利用した集合調査法による調査を実施し、有効回答者は大学生378名(男性173名、女性205名)であった。19種類の悪質商法と9種類の詐欺に関して、被調査者自身の直接経験と、友人の大学生の経験の見聞である間接経験を尋ねた。その結果、(1)悪質商法と詐欺の直接遭遇経験者は24.1%と37.0%、直接被害経験者は1.6%と3.2%であること、(2)直接経験、間接経験を問わず、遭遇経験は詐欺の方が悪質商法より高いこと、(3)直接経験としては、詐欺の中ではワンクリック詐欺と架空請求詐欺が、悪質商法の中ではキャッチセールス商法が最も遭遇しやすいことが判明した。また、間接遭遇経験が直接遭遇経験を下回っていたことから、情報の共有が十分でないと指摘された。
著者キーワード
詐欺
悪質商法
遭遇経験
被害経験
大学生