本研究では中学生を対象に, 家族や友人とのコミュニケーション内容とキャリア意識4領域(人間関係形成, 情報活用, 将来設計, 意思決定)との関連について群間比較を通して検討した。その結果, 次の2点が明らかになった。①学校や進路に関する話を家族とする生徒ほど, 4領域のキャリア意識が高い。②学校や進路に関する話を友人とする生徒ほど, 人間関係形成, 情報活用, 意思決定のキャリア意識が高い。これらの結果は, 家族や友人とのコミュニケーションが職業選択の基盤となる能力・態度・知識等の自己評価, すなわちキャリア意識の発達に寄与する可能性を示唆する。