広島大学心理学研究 2 号
2003-03-28 発行

暴力行為等の問題行動に関する発達的研究(4)

A developmental study of violence-related problematic behaviors(4)
山口 修司
全文
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Abstract
本研究では,小学生,中学生,高校生における暴力の効果や暴力者の特徴の認知および暴力の発生原因の認知に関する質問紙調査を実施し,発達的に比較検討した。また,小学校,中学校,高校の教師と保護者にも同様の調査を実施し,児童生徒の結果と比較した。その結果,児童生徒は発達と共に暴力や暴力者のポジティプな面をよりポジティプに,ネガティプな面をそれほどネガティプではないと許容的に捉えることがわかった。暴力発生原因では,教師の注意・指導不足であるとする認知が発達的に増加した。児童生徒と教師・保護者の比較では,暴力の肯定的効果や暴力者の肯定的特徴の認知において児童生徒の得点が教師・保護者の得点よりも高かった。さらに,児童生徒は教師・保護者よりも暴力発生の原因を暴力的友人との交友に求めるのに対して,教師・保護者は児童生徒よりも親のしつけや育て方,テレビや映画の影響によると捉えていた。
著者キーワード
問題行動
青少年
暴力・暴力者認知
暴力の発生原因認知
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