広島大学心理学研究 2 号
2003-03-28 発行

大学生の同一性と時間的信念

Identity and time belief in university students
新見 直子
全文
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Abstract
本研究では同一性を同一性達成度と同一性感覚(自己斉一性・連続性,対自的同一性,対他的同一性,心理社会的同一性)に分けて考えた.同一性達成度得点に基づいて,対象者を高群,申群,低群に分類し,同一性感覚の4つの下位尺度得点について3群問で比較検討した.さらに,同一性達成には時間的展望が関与していると考えられることから,時間的信念の2つの得点(展望主義得点,現在主義得点)について3群問で比較検討した.その結果,①心理社会的同一性下位尺度では3群間に差がみられ,高群が中群や低群よりも,中群が低群よりも有意に高かった.②自己斉一性・連続性,対自的同一性,対他的同一性の3下位尺度では,高群が中群や低群よりも有意に高かった.③時間的信念の展望主義得点では高群が中群や低群よりも有意に高かった.しかし,現在主義得点では3群間に有意差はみられなかった.
著者キーワード
同一性
同一性達成度
同一性感覚
時間的信念
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