広島大学心理学研究 2 号
2003-03-28 発行

多数派の反応に及ぼす少数派の交渉スタイルの効果

Effects of the negotiation style of a minority on the responses of a majority
江崎 修司
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Abstract
本研究の目的は、多数派への少数派の影響に及ぼす少数派の交渉スタイルの効果を実験的に検討することであった。独立変数は少数派の交渉スタイル(柔軟、頑強)で、1要因2水準の被験者間要因計画であった。態度測度については事前一事後測定法、そのほかの測度については事後測定法に基づいて測定した。死刑制度の話題に関して死刑制度反対の少数派と死刑制度賛成の多数派による集団討議場面を録画した2種類のビデオの1つを被験者に提示した。被験者は、多数派と同じ初期態度を持つ大学生42名であり、21名ずつ柔軟条件と頑強条件に無作為に配置された。少数派の交渉スタイルは被験者の態度変化に影響を及ぼさなかったが、柔軟な交渉スタイルをとる少数派は、頑強な交渉スタイルをとる少数派に比べて、少数派の肯定的イメージ(柔軟性、信頼性、知性、魅力)を増加し、反発を抑制することが解明され、潜在的影響力を持つことが推測された。
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数派の影響
多数派
交渉スタイル
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