広島大学心理学研究 Issue 8
published_at 2009-03-31

摂食障害及び摂食障害傾向における家族関係研究の動向と展望 <論文>

A review and some considerations of studies in family relationships of eating disorder and eating disorder tendency
Okuda Satomi
fulltext
1.26 MB
HPR_8_77.pdf
Abstract
本研究では, 摂食障害及び摂食障害傾向における家族関係に関する研究を概観し, 今後の研究の展望と課題について考察することを目的とした。まずはじめに, 摂食障害臨床群の家族に関する症例研究と, 実証研究について概観し, 摂食障害における家族病理に関する知見をまとめた。さらに, 摂食障害の非臨床群である一般の青年の, 摂食障害傾向と家族関係との関連について検討した研究についてまとめ, 非臨床群の家族研究に関する課題を整理した。さらに, 非臨床群の摂食障害傾向と家族関係との関連について検討する手法として, 動的家族画をとりあげ, その方法論における特徴と, 臨床群に対して実施された描画研究の知見についてまとめた。その上で, 非臨床群の摂食障害傾向と家族関係との関連を検討するにあたって, 動的家族画を用いる意義について論じた。
Keywords
摂食障害
摂食障害傾向
家族関係
動的家族画