本研究は,集合的防護動機モデルが環境配慮行動意図の規定因として提唱する8認知(深刻さ認知,生起確率認知,効果性認知,コスト認知,実行能力認知,責任認知,実行者割合認知,規範認知)や環境配慮行動意図に及ぼす集団要因と環境問題要因の効果を検討した。調査対象者は,中国人558名(高校生130名,大学生308名,成人女性120名)であった。9回の分散分析の結果,集団要因の効果は少数しか見いだされなかったが,環境問題要因の効果は多数見いだされた。この研究によって,調査対象者の属性によって各認知が大きく左右されることは少ないが,環境問題の種類によっては大きく異なることが示された。