環境配慮行動意図を予測するモデルとして,集合的防護動機モデル(深田・戸塚,2001),環境配慮的行動と規定因との要因連関モデル(広瀬,1994),行動に至る心理プロセスのモデル(小池他 2003)の3つのモデルがある。本研究の目的は,中国人の環境配慮行動意図に対する,これら3つのモデルの説明力を明らかにし,比較検討をすることである。4つの環境問題(水資源枯渇問題,水質汚染問題,大気汚染問題,電力不足問題)に関する環境配慮行動意図および3つの説明モデルが仮定する行動意図の規定因に関して,中国人高校生130人,大学生308人,成人女性120人を対象に質問紙調査を行った。その結果,モデルの説明力は,環境配慮行動意図に対して最も高く,環境配慮的態度に対して最も低いことが判明し,現段階では集合的防護動機モデルは環境配慮行動意図を予測するのに最も有効であることが解明された。