教師が果たすべき主要な役割の1つとして教授がある。教師の教授行動には、自らの教授に対するメタ認知的知識が強く影響すると考えられる。したがって、教員志望学生の教授行動に関するメタ認知的知識の構造を把握することは、大学における教員養成を行う上で肝要であると考えられる。そこで、教授場面の1つとして理科の自主学習教材を作成するという場面を設定し、その際に学生がどのような事柄を重視すべきだと考えているかを調べた。教材作成時に配慮すべきであると思われる事柄を項目とするアンケートを用い、その重要性を学生に評定させ、因子分析によって学生の知識構造を探索的に分析したところ、「詳細な説明や具体的な説明でわかりやすい教材とする工夫」、「自主的、主体的な学習を促す工夫」、「生徒像や授業場面をイメージして教材作成をする工夫」、「簡潔に説明する工夫」という4因子が抽出された。また、学生は、授業における生徒像を持つことが重要であると考えていることがわかった。