本研究の目的は、在日中国系留学生のサポート獲得方略の使用可能性に及ぼす人口学的特性の影響を再検討することである。本研究では、湯・深田・周(2004)のデータの一部を利用し、在日中国系留学生126名を分析対象として、勉学・研究領域で指導教官にサポートを要請する場面を設け、在日中国系留学生の人口学的特性と方略の使用可能性との関係を数量化Ⅰ類で検討した。9つの人口学的特性は、強烈表現方略以外、各方略の使用可能性を16~22%説明することが実証された。このことから、木研究で使用した9種類の人口学的特性が方略の使用可能性に影響する無視できない安因であることが証明されたといえる。また、脅し方略の使用可能性に対する説明率が最も高かった。本研究の結果は、湯・深田・周(2002)の結果に比べて、人口学的特性の全体的な説明率が高く、しかも、個々の人口学的特性の影響度も異なっていた。