木研究では,幼児を対象として,貢献度の異なる2名の被分配者に対する第3者的立場からの分配行動に及ぼす被分配者の努力要因の影響を検討した。結果として,幼児は,貢献度の低い被分配者が努力をしていた場合には報酬を均等にする平等分配を行い,努力をしていなかった場合には貢献度に応じて差をつける公平分配を行うことが明らかとなった。本邦における従来の見角宇とは異なり,幼児期においても公平分配が可能であること,平等分配が幼児の能力や経験の不足によって示されるものではないことが明らかとなった。幼児は,被分配者の貢献度や努力のみならず,報酬に差をつけることによって葛藤が生じる可能性や低貢献者の情状などをも考慮した上で公正な分配を行おうとする傾向にあることが示された。