本研究の目的は、在日中国系留学生のもつサポート要請目標に及ぼす人口学的特性の影響を検討することである。本研究では、湯・深田・周(2004)のデータの一部を利用し、在日中国系留学生126名を分析対象として、勉学・研究領域で指導教官にサポートを要請する場面を設け、在日中国系留学生の人口学的特性とサポート要請目標との関係を数量化l類で検討した。9つの人口学的特性は、各サポート要請目標を15~19%説明することが実証された。このことから、本研究で使用した9種類の人口学的特性が在日中国系留学生のもつサポート要請目標に影響する無視できない要因であることが証明されたといえる。また、効果性目標と個人資源目標に対する説明率が最も高かった。そして、サポート要請目標に最も広範な影響を与える人口学的特性は出身地域と専攻分野と英会話能力の3つであることが確認された。なお、年齢と在籍身分は、どのサポート要請目標にも影響を及ぼさないことが明らかとなった。