過剰適応青年は,親や家族からの過剰な期待に応えようとするため,自分の欲求を過度に抑えた結果として,問題行動を起こすと考えられている。本研究では,過剰適応青年における,欲求が満たされていない状態と家族機能の関連について検討を行った。その結果,過剰適応と欲求が満たされてない状態は関連しており,家族機能のバランスがとれていた群では過剰適応傾向が低いことが示された。さらに過剰適応青年に問題が生じた後の過剰適応青年とその家族の変容過程について検討を行った。その結果,過剰適応と欲求が満たされてない状態は関連しており,家族機能のバランスがとれていた群では過剰適応傾向が低いことが示された。また,家族機能の群ごとに,過剰適応の青年が表した問題への対応が異なることが示され、過剰適応青年とその家族が相互に影響しあい,変容していく過程が示された。