罪悪感は,自分が何か悪いことをしたり,規範から逸脱してしまったりした時に生じる不快な感情であり,その不快な状態を改善させるような様々な反応を促す。本研究では罪悪感が生じた際にどのような反応が引き起こされるのか,また罪悪感の喚起状況の違いによって反応に違いがあるのかについて検討を行った。その結果,罪悪感が生じた際の反応は大きく「向社会的行動」「向社会的意図」「回避的反応」「反応なし」に分類できることが見出された。また,有光(2002a)の罪悪感喚起状況尺度に基づいて罪悪感を感じたときの出来事を分類した結果,他者に危害を加えるような状況において罪悪感が生じた際の反応としては「向社会的行動」が多く,ルール違反などをするような状況において「反応なし」が多く,「向社会的行動」が少ないことが示された。