本研究の目的は,広島大学において行われた平成15年度進路指導講座の資料(高等学校の進路指導教諭などが作成したもの)から,高等学校の進路指導活動の傾向を明らかにし,生徒の職業観・勤労観を促進するための効果的な活動を見いだすことであった。まず高等学校における進路指導の全体的な傾向を明らかにするために,各学年の様々な進路指導活動の割合を算出した。その結果,1年次には職業人による講演会が,2年次には上級学校見学といった活動が多く行われることが示された。3年次には進学指導や就職相談などは比較的多く行われていたが,本来的な進路指導活動はあまり行われていなかった。次に,資料に挙げられていた活動のうち,特徴的で効果的だと思われる活動事例について報告した。これらの活動事例を参考にすることによって,高等学校におけるより効果的な進路指導が実現すると期待される。