対人葛藤場面における大学生の対人葛藤解決方略タイプの選択・使用に及ぼす対人文脈(葛藤相手の父親、母親、同性の親友)、使用文脈(1回目の最良の方略、2回目の障害彼の方略)、被験者の性(男性、女性)、および方略タイプ(協調方略、対決方略、回避方略、同調方略)の影響を検討した。自主的行動の妨害の性質をもつ仮想の葛藤場面を小冊子で被験者に呈示した。被験者は76名の大学生(男性38名、女牲3S名)であった。主な結果は次のとおりであった。解決方略全体の使用可能性は、父親との葛藤の場合の方が同性の親友との葛藤の場合に比べて高く、障害彼の方略の方が最良の方略に比べて高く、女性の方が男性に比べて高く、協調方略、対決方略、回避方略、同調方略の順に高かった。また、協調方略の使用可能性は母親との葛藤の場合が最も高く、同調方略の使用可能性は父親との葛藤の場合に最も高く、対決方略の使用可能性は同性の親友の場合に最も低く、回避方略の使用可能性は母親との葛藤の場合に最も低かった。しかし、こうした傾向は、大学生の性要因の影響を大きく受けていた。