広島大学心理学研究 Issue 3
published_at 2004-03-28

保育士養成課程に在籍する学生の性役割認知と保育観

Sex-roles cognition and belief in pre-service early childhood teacher training courses
Shibasaki Yoshinori
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Abstract
本研究は保育士養成課程に在籍する学生(N=71)の性役割認知と保育観との関連について検討した.第1の目的は性別により性役割認知にちがいが見られるか否かを検討することであった.MFH-SCale(伊藤1983)を性役割認知の測定に用いた結果,Masculinity,Femininty, Humanityのいずれの性役割認知の得点についても性別のちがいによる差はみられなかった.また,第2の目的は性役割認知のちがいにより保育観にちがいが見られるか否かを検討することであった.各性役割認知得点に関して各算術平均値を基準に各調査対象者を上位群と下位群とに分類した後,Child Centered orientation Belief Scale と Basic Skills orientation Belier Scale得点に関して,性別および性役割認知得点の上位・下位をブロック因子として2要因分散分析を行った.結果,Child Centered orientation Belief Scaleの得点に関してのみ性別の要因と上位群・下位群の要因の交互作用効果が唯一有意水準に達した.LSD検定を用いて下位検定を行ったところ,Femininityの低い女性(M=2.51)はFemininityの低い男性(M=2.31)に比べてChild Centered orientation Belief Scaleの得点が高いことが分かった(p<.05).
Keywords
男性保育士
幼児教育
性役割認知
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