本研究は,意識的な死の不安と「死」「生」「自己」のイメージの関連を検討することを目的に,Death anxiety scale (DAS) と「死」「生」「自己」の捉え方のパターン及びSD 法によるイメージとの関連を検討した。「死」「生」「自己」の捉え方のパターンは,概念間の心的距離を基にクラスタ分析を行い,「死」を「生」「自己」から離す“「死」分離群",全てを近いものとする“全近接群",「死」と「自己」を離す“「死-自己」分離群",全てを離す“全分離群"を死-生-自己マトリクスとして抽出した。DAS 得点,死-生-自己マトリクスとSD 法の「死」「生」「自己」のイメージの関連を検討した結果,各DAS 得点群,死-生-自己マトリクスの違いによる「死」「生」「自己」の捉え方の違いが示された。全近接群は「死」を身近に捉えることと意識上の死の不安の低さの関連が示唆され,「死」分離群は「死」を日常から離すことで意識上の死の不安が軽減される可能性が示唆された。意識上の死の不安が同程度でも,イメージ水準における死の捉え方は異なり,死の不安について「死」のイメージから検討する必要性が示唆された。