広島大学心理学研究 12 号
2013-03-31 発行

大学生の就業意識とアイデンティティ・ステイタス <論文>

Relationship between the views of 'Freeter' and identity status among university students
深瀬 裕子
荒井 佐和子
全文
1.04 MB
HPR_12_85.pdf
Abstract
フリーターへの親和的態度を心理的側面から調査し,大学生の職業意識や価値観に関するメカニズムを検討するため,フリーターへの肯定的態度とアイデンティティ・ステイタスとの関連を調査した。その結果,フリーターの「目標に辿り着くための試行錯誤の時期」という側面に対して,アイデンティティ達成型は早期完了型よりも肯定的態度が強かった。過去に危機を体験した学生は,危機を経験していない学生よりも,人生における迷いや立ち止まることに対して肯定的な意味づけをしているために,フリーターの過渡期的な側面に積極的な理解を示したと考えられた。今後の課題として「フリーターになった理由」を統制して検討することが挙げられた。
著者キーワード
青年期
フリーター観
自我同一性