本研究の目的は,幼稚園教師が抱く個別の指導計画の作成に関する困難感について,個別の指導計画の4つの作成段階に焦点を当て,園内体制や経験の影響を考慮に入れて検討することであった。障害のある幼児を担任している幼稚園教師を対象に郵送法による質問紙調査を行い,343名の回答を分析した。その結果,作成段階において,「評価」はその他のどの段階よりも困難感が高く,「具体的な指導内容の設定」は「幼児の実態の把握」や「指導の目標(ねらい)の設定」より困難感が高かった。また,「具体的な指導内容の設定」では,他機関との連携あり群が連携なし群より困難感が低い傾向がみられた。さらに,「指導の目標(ねらい)の設定」,「具体的な指導内容の設定」および「評価」では障害のある幼児の担任経験あり群が経験なし群より困難感が低かった。