特別支援学級担任者の専門性の向上については,過去,たびたび提言等がなされてきたが,専門性を担保する効果的な教育行政施策の実施には至っていないと思われる。そこで,広島県内の小学校の特別支援学級(知的障害)担任を対象として,教員経験年数と特別支援学級担任経験年数,研修ニーズ,情報の入手方法や必要な資料,教員免許状について,質問紙による調査を実施した。調査期間は平成24年10月から11月,有効回答率は42.2%(227/538)であった。担任者のうち特別支援教育経験年数6年以内の者が約7割を占めていること,担任者の約半数程度が担任者となる前に研修を受けていること,担任者となった当初は授業づくりに関する研修内容が必要とされ,一年目以降になると,組織的な特別支援学級の経営に関する研修内容が必要とされること,回答者の8割が特別支援学校教諭免許状の保有に賛成していること等が明らかになった。