本研究は,特別支援学校高等部の就労移行支援において生じている校内連携の現状と課題を明らかにするために,特別支援学校の高等部に所属する教員と特別支援教育コーディネーターを対象に,就労移行支援において進路指導担当教員との連携で生じた課題や困り感について質問紙調査を行った。回答は自由記述で求めた,これらの自由記述に定性コーディングを行い分類した。結果,進路指導担当教員との間で生じた課題や困り感は,チームアプローチに関連する課題,包括的な移行支援の実施における課題,地域資源の活用及び移行先の確保に関する課題などが挙げられた。また回答者自身の就労移行支援に関する基礎的な知識の獲得についてもその必要性を感じていることが明らかになった。