本研究の目的は, 日本人英語学習者の話し言葉, 書き言葉による課題発話に表れた認識的表現の使用を比較することである。データ収集のため, 41名の学生に話し言葉および書き言葉で意見を述べさせ, それら2つの焦点化された学習者コーパスについて量的・質的比較を行った。本研究の主要な結果は, (1)学習者は, 書き言葉においてはそのオフライン的特徴から, 同時的処理の必要な話し言葉よりもより多くの種類の認識的形式を使用したこと, (2)学習者は, まずI think, maybeのような語彙レベルから, 熟達度が上がるにつれて次第に法助動詞のような, より文法レベルの用法を使うようになったこと, である。今後, 異なるジャンルや学習者の母語, そしてタスクの種類によって認識的形式の使用がどのように変化するのかを精査しながら, 本研究の結果をさらに検証していく必要がある。