本稿は、日本人大学生の中国語作文から集めた誤用例に基づき、接続詞の誤用を記述し分析したものである。その誤用は、配置ミス、余剰と欠落、呼応用捨と共起、使い分け、統語範疇の混同という5つに分けられている。配置ミスの問題として、複文を構成する「分句」の内部における接続詞の配置ミスと、分句と分句の配置ミスという2つのタイプを取り上げた。余剰と欠落については、"和"、"而"、"因为"の3つが余分に使われる問題を考察した上で、"由于"の欠落を検討した。呼応用法と共起の問題に関しては、前項接続詞に呼応して、後項接続詞の"但"、"但是"や副詞の"还"、"也"を添えなければならないことを分析し、呼応して用いられる副詞の"还"と"还是"の差異を指摘した。また、"由于"が単純な名詞と共起しない問題に触れた。接続詞の使い分けについては、単音節語と二音節語の対立として、"而"と"而且"、"并"と"并且"の差異を考察した。また、"由于"と"因为"、"或(者)"と"还是"、"或"と"和"、"和"と"以及"、"和"と"而且"、"而"と"但"、"于是"と"因此"、"与"と"和"の違いを分析した。統語範疇の混同としては、"而"と"便"、"或者"と"或许"という接続詞と副詞の混同を取り上げた後、"为"と"因为"といった前置詞と接続詞の混同を検討した。