本研究は、英語授業において学習者自身が学習する教材を選択することができる授業科目(コース)の構築と評価に関するアクション・リサーチの1つである。この授業科目は1学期間かけて徐々に構築される。学習者は、各ペアが授業で学習する教材に関して、与えられた情報に基づいて選択を求められる前に、取り組むことができる様々なタスクを予め体験し理解することができる。このような手法で3つのグループが教授された。学期の終わりに3つの内の2グループがアンケート調査に参加し、量的データと記述的データとして処理可能な形で回答を求められた。本研究は小規模のデータではあるが、多人数クラスは小人数クラスの場合よりも選択に基づく授業の構築を継続的に好むことが分かった。また、学習する教材に関する選択権を与えられた場合、学習者個々によって選ぶ教材が異なりこと、そして多くの学習者が言語形式の学習に焦点をあてたタスクが有益だと感じていることも分かった。さらに、教材選択において重要な要因となるのは、取り組もうとしているタスクの難易度を学習者がどう捉えているかがあり、より複雑で困難なタスクはペア・ワークをさせるよりも全体指導の形で教授した方が良い。本研究は、授業において学習者の選択を取り入れる授業科目の構築の可能性を支持している。しかしながら、このようなコース設計は教授に関わる固有の困難や問題点も内包し、従来の教授方法と比較して、期待するような指導をするにはより複雑で困難な点もある。