全国の大学のホームページ上に掲載されている情報をもとに,わが国の大学における障害学生支援関連情報の公開状況を調査した。調査の結果,ほとんどの大学がホームページを開設していたが,障害学生支援に関連する情報を掲載している大学は少なかった。また,掲載されていた情報へのアクセシビリティや情報の内容についても,改善されるべき点がみられた。受け入れ実績のある障害種別に関しては,視覚障害や聴覚障害,肢体不自由が多かった。支援にあたる学生を対象とした養成講座や講習会についても,主として視覚障害学生や聴覚障害学生,肢体不自由学生の支援を想定したものが開催されていた。近年では,発達障害学生に対する支援の充実が求められており,その障害特性を考慮すると,従来の障害学生支援のノウハウを生かしつつも,新たなアプローチが必要になると考えられた。さらに,障害者の権利に関する国内外の動向をふまえると,今後は大学側が障害学生支援の体制整備をさらに推進するとともに,専用のホームページを設けるなどして,情報を広く公開していく必要性が考えられた。