韓国における発達障害(知的障害も含む)のある児童生徒用の教科書・教科用特定図書について考察した。日本は2014年に国連障害者の権利条約を批准し,インクルーシブ教育やそれに向けての合理的配慮等の動きが活発になった。一方,韓国は2008年に批准している。それ以前からインクルーシブ教育へ向けての施策が動いており,発達障害のある児童生徒のための教科書・指導書が多く出版・改訂されていた。注目すべきは,発達障害を含め,障害のある児童生徒のためのICTの応用,教科書の発行と同時に電子書籍も発行し,PDFファイルによる電子教科書だけでなく,E-ラーニング,E-Book等,高度情報化時代にマッチした準備をしていた。今後,日本でも韓国が行ったような発達障害のある児童生徒用の教科書・教科用特定図書の開発ならびにICTの使用を急ぐべきと考える。