学部・附属学校共同研究紀要 39 号
2011-03-24 発行

環境センサーデータを活用した, 環境学習教材の研究(3) : 二酸化炭素データを用いた, 理科総合学習の可能性

Research of Environment education materials applied with environment sensor data (3) : Study of science general education using carbon dioxide data
古瀬 健太郎
全文
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AnnEducRes_39_331.pdf
Abstract
本研究は, 二酸化炭素の振る舞いを軸とした環境学習について, その可能性を検討するものである。

環境学習の課題の一つとして, 実験がおこないにくい点が挙げられる。日常生活における経験をいかに学習に結びつけるかを課題として, 我々は気象センサーデータの気象学習への利用について, これまで検討と実践をおこない, その効果を確認してきた。本年度は二酸化炭素のセンサーを用い, そのデータを活用した, 教材開発をおこなった。二酸化炭素については, 地球温暖化やCO2排出量の削減, 取引といった話題がマスメディアで取り上げられていることもあり, 生徒にとっては知名度の高いものである。しかしながら, 二酸化炭素は有害である, 二酸化炭素はゼロにするべき, といった極端な考えを持つ生徒も多い。

そこで, 一日の二酸化炭素の変化について, センサーデータを用いた考察をおこなうことで, 二酸化炭素の性質を理解し, 科学的な思考力を高めることを目的とした。

本年度, センサーを用いた授業を実施した結果, センサーデータを授業で活用することによる環境学習の発展には, 大きな可能性があるという結論に至った。