学部・附属学校共同研究紀要 39 号
2011-03-24 発行

国際的な資質を育成する社会科学習(6) : 思考の再構成を促す授業づくりを通して

Fostering competences in global age through social studies (6) : Focusing on reconstruction of learners' thinking in the class
安松 洋佳
長野 由知
全文
1.05 MB
AnnEducRes_39_219.pdf
Abstract
国際化や情報化が進展する現代社会においては, 他者・多国との価値観の違いを認め, お互いの関係を平和的に形成する資質, すなわち国際的な資質が必要となってくる。そのためには, 自分の思考をより科学的なものへと再構成していくことが重要である。子どもたちの思考の再構成を促すために, 「①子どもたちの既有知識・理解を揺さぶる学習内容と発問」「②新しい知識・理解体系を推理させる」「③他者と自分の思考を比較させたり, 自分の思考・判断過程を記述させたりする」という方略を基に単元開発を行った。今回, それぞれの学年において思考の再構成を促す単元開発を行ったことで, 子どもたちが思考の再構成を繰り返しながら社会に対する認識を深める姿が見られた。今後は, このような姿を学級全体に広げていくこと, 日常で触れる社会事象に対して同様の思考を働かせて臨んでいくことができるようにするには, どのようにしていけばよいのか検討したい。また, 子どもたちの思考の再構成を見とるための評価方法の開発に取り組んでいきたい。