学部・附属学校共同研究紀要 39 号
2011-03-24 発行

絵本の製作と読み聞かせを通してモンの子どもと結ぶ家庭科授業の研究

Making Picture Books and Telling of the Stories for Hmong Children in Senior High School Homemaking Education
佐藤 敦子
全文
2.09 MB
AnnEducRes_39_313.pdf
Abstract
本研究は, 国際理解教育の視点から, モン族の子どもたちと自作絵本をとおして心を結びあうことを内容とする「家庭基礎」の保育学習を構築することを目的とした。広島と福山の両附属高等学校の生徒を対象として, 次のように家庭科の授業を実施して, 国際理解教育及び保育学習としての効果を測り, モデル化した。①モン族に関する映像の視聴や, 民族衣裳・刺しゅうなどを通して, 彼らの生活について理解させるとともに, モン族の子ども文化の形成を支援するためには, 絵本が重要な役割を担っていることを認識させた。②広島大学の学生及び広島と福山の2つの附属学校の高校生に対して, モン族の子どもに読み聞かせをすることを前提にしたぬり絵絵本を製作させた。③これらの絵本をシャンティ山口に委託し, タイのホイプム村の保育園児(モンの子ども)に読み聞かせをしてもらい, その際の反応を写真や映像等を通して知らせてもらった。④授業の各段階において実施されたアンケート調査等を集計・分析した。⑤以上の①~④を通して, 高い学習効果が見られ, 研究目的が達成できたことが判明した。