今日の看護職を取りまく医療.社会環境の変化は著しい。こうした環境下のもと, 看護職個々人はどのように自分自身のキャリアを捉え, キャリアを形成していこうとしているのであろうか。山内(2003)は看護職を対象に個人と組織の相互作用に焦点をあてて分析を行い, 個人のキャリア形成へのニーズを組織は十分には支援しきれていないことを明らかにした。そこで, 今回さらにこうした状況を看護職個々人の年齢要因に焦点をあてて分析を行った。その結果, 年代層の低い者たちと年代層の高い者たちとの間に組織に対する認識の違いを認め, キャリア形成の過程に応じた支援体制が整っていないことが, こうした彼らの認識に作用していることが明らかとなった。