公園サービスへの利用者負担の可能性について, 呉ポートピアパークの事例を検討する。地方自治体が提供する各種サービスに利用者負担を求めるとき, 「利用者に受け入れられる」という視点は重要である。ここでは「利用者負担の受容性」という概念を用い, (1)無料化支持率・有料化容認率と利用者属性, (2)無料化支持・有料化容認の論理, (3)代替的料金政策による受容率変化とその規定要因, 以上3点について, 呉ポートピアパーク利用者調査に基づいて検討した。無料化を支持する, 有料化を容認する, この両者に共通する論理として"継続性"を抽出することができる。無料化支持には料金による利用者減を懸念する意見が強くあり, 利用者を大きく減少させない負担方法の実現と利用者の協力で公園サービスが継続するとのメッセージの伝達が重要となる。さらに料金水準および利用者属性・利用形態によって受容率が異なることを明らかにし, 受容性を考慮した柔軟な料金政策の必要性を指摘する。