視覚障害を教育の対象としない特別支援学校において、設備・備品や教員の専門性の問題から視機能評価や視覚に対する教育的配慮が十分になされていない現実がある。本研究では、児童・生徒の重度重複化、障害の多様化がすすむ特別支援学校(知的障害)において、Teller Acuity Card™ IIを活用した教育的視力評価を実施し、さらにその担任へ結果の情報提供を行った。まず、特別支援学校(知的障害)小学部1~6年の児童12名に対して計16回の教育的視力検査を実施し、0.01~1.3の換算視力値を得た。さらに、換算視力値に応じて作成したシミュレーション画像を用いて、児童の見え方や視覚的配慮に関する情報提供を行なった結果、より具体的な見え方の理解や教育的支援の改善につながった。