広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター研究紀要 11 号
2013-03 発行

聴覚障害特別支援学校(聾学校)で取り扱われる特徴的な自立活動の内容に関する調査 : 手話使用の広がりを背景とした発音発語・指導に関する2002年調査結果 <原著>

A Survey on Specific Contents of the “Autonomous Activities" (JIRITSU-KATSUDO) in the Japanese Schools for the Deaf : The Results of 2002 Survey Regarding “Instruction of Articulation and Speech" Area With the Background of Increasing Adopting Sign Language as a Daily Communication Method <Original Articles>
波多野 雄一
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CSNERP_11_53.pdf
Abstract
特別支援教育の新たな時代を迎え,聴覚障害特別支援学校における教育内容もそれに対応した充実が図られようとしている。特に,自立活動の指導においては,ここ10年余りの手話・指文字の使用の広がりにより,改めて,これまでの内容に加えて,新たな時代に対応した内容を検討する必要性が生じている。本稿では,2002年に全国の聾学校(当時)の幼稚部から高等部までを対象として実施した,自立活動における発音・発語指導の扱いの状況に関する調査結果の概要を示した。当時は,手話の使用が幼稚部段階から急速に広まり始めたことが背景としてあり,特に,手話を使用する学校や,中学部以降においては,発音・発語指導についてもそうした状況を窺わせる結果が示されていた。また,発音・発語指導の重要性が認識されていたものの,それを指導できる教員が必要であることについて回答者からの指摘が見られていた。調査を通して,現在にも通じる状況が当時から窺えていたことが示され,今後の同様の調査における基礎的資料としての意味合いがあるものと考えられた。
著者キーワード
聴覚障害教育
自立活動
聾学校
発音・発語指導