広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター研究紀要 Issue 11
published_at 2013-03

インクルーシブ教育の基盤となる児童理解に関する一考察 : 特別な教育的支援を必要とする児童の理解と対応 <原著>

A School of Thought on Understanding of Children Forming the Foundation for Inclusive Education : An Understanding and Coping With the Children Who Need Special Educational Support <Original Articles>
Taninaka Ryuso
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CSNERP_11_35.pdf
Abstract
現在,小学校の通常学級には,発達障害のある児童や,学習につまずきがある,自尊感情が十分に育まれていないなど,特別な配慮や支援を必要とする様々な児童が存在する。こうした子どもたちの多様化したニーズに応えていくためには,従来の学校教育の知識・経験に加えて,特別支援教育に関する知識,子どもの自尊感情を高めるための知識・技能,自治的な学級集団づくりのための知識,保護者対応の力などが要求される。これらの知識や経験を背景にして,目の前の子どもたちを理解し,指導していくことが,小1プロブレム等の防止や,多様な個性を持つ子どもたちを包含したインクルーシブな学級づくりにつながっていくと考えられる。そこで,本稿では,これらの中から,自尊感情の育成,発達障害に関する最近の知見,特別支援教育の視点について概説し,特別な教育的支援を必要とする児童に対する第二著者の実践事例を示すことで,今後の児童理解や教育実践の参考となる情報の提供を試みた。
Keywords
児童理解
自尊感情
発達障害
愛着
特別支援教育