中等教育研究紀要 Issue 51
published_at 2005-03-31

展示を意識した「書写」の教材開発・授業の展開 : 意欲と集中力を高め,学習効果を高める

Teaching Procedure and Teaching Materials for Shosha Focusing on Exhibition Awareness : To Heighten Motivation and Concentration for Learning
Isono Mika
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Abstract
文字を正確,適切に書写する能力を高めていき,生活に役立てる態度と技能を育てることが,書写のねらいである。限られた時間の中で,丁生きる力」の1つである書写能力を効果的に生徒に身につけさせたいと考えている。本稿は昨年度研究紀要を受け,中1から中2にかけての1年間の実践報告,および考察である。具体的な学習活動としては,「故事成語を書く」,「コルクボードに1字を刻む」が挙げられる。いずれも,行事に合わせ校内展示を行い,自宅に持ち帰ることができ,形に残るという点にこだわって,教材を選択し,指導計画を立てた。また,班学習を取り入れることで,自分たちで問題を解決していく場面を設定した。本実践において,観てもらうのだという相手意識が,単元全体への意欲を喚起し,友達の変化をそばで見ることで互いが影響を受け合い集中力が高まった。また,作品に対する満足感が,次の学習や日常書写に対する意欲を喚起するという結果もおおよそではあるが,見えてきた。