化学反応における反応速度は,反応物質または生成物質の濃度,温度,圧力,触媒等によって変化することが知られているが,その一般論は完成されてはいない。しかし,高等学校で扱う部分や大学低学年で学習する部分については,実験結果等を踏まえた数学的扱いが可能なものもある。そこで,このような場合,すなわち一次反応や二次反応等の場合について数学的考察を行い,高校での総合的な学習の教材化を試みる。こうした扱いを通して,放射性元素の半減期についての法則等が導かれることを理解させ,自然科学研究における数学の有用性の一端を知らせることができると思われる。