学部・附属学校共同研究紀要 38 号
2010-03-31 発行

地図製作による環境学習型授業から環境提案型授業の展開

From Environmental Estimation to Environmental Proposition through the Map Making by Elementary School Children
岡本 典久
川本 弘幸
全文
1.81 MB
AnnEducRes_38_343.pdf
Abstract
昨年度は6年生児童を対象とし, 広島市内中心地区の環境評価を表現した地図を作成し, 都市の公共空間の意味を, アイコンを用いてより深く考えさせ, 世界の他都市と比較しながら, 広島固有の場所性を発見し, 愛着が育まれるような教育プログラムを設定・検証した。

本年度から, 新しく3年生児童と共に, 従来の環境評価・学習のみならず, 具体的に環境を改善し, より豊かな都市広島のあり方を総合的に考えさせ, 提案能力を養う教育プログラムを展開する。本年度は特に, 身近な生活環境と都市の公共的環境を対象としたプログラムを作成し, 環境学習から環境提案への道筋を付けるため, 五感という児童にとって提案しやすいテーマについて, 持続的な社会環境の提案を行わせた。また, 単に提案を行うだけでなく, 学生からの提案に対し児童が批評するという作業も行った。

本年度のプログラムは現在も継続中であり, 成果は暫定的なものであるが, 「評価してみる」, 「記号にしてみる」, 「アイコンにしてみる」, 「提案してみる」, 「意見してみる」という一連の流れの有効性を検証することができた。