学部・附属学校共同研究紀要 38 号
2010-03-31 発行

器械運動の系統性を考えた首はね跳びの指導について : みんなでチャレンジする跳び箱運動の首はね跳び

A study on the teaching of Neckspring on a Vaulting Horse focused on the systematic arrangement of different movements in Gymnastics : how to help all the students achieve through cooperative activities in groups
谷 優香
松岡 重信
全文
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AnnEducRes_38_119.pdf
Abstract
当校では, これまで生徒の発達段階に応じて中高6ヵ年を基礎・充実・発展として考え, 教材の配列やその内容を検討し, 実践してきた。今回の新学習指導要領では, それぞれの運動が有する特性や魅力に応じて, 発達の段階に応じてそのまとまりを考慮し, 指導内容を整理し体系化を図るといった考え方が示されている。これらを踏まえ, 中高6カ年の当校の器械運動の配列の中で, その中間どころとなる跳び箱運動がもたらす効果について考えた結果, 台上前転の発展技であり, 生徒にとってアクロバティックな要素を持つ「首はね跳び」の授業を展開することにした。授業では, 準備運動や前転のバリエーションでその関連性を確認し, 技の系統性や構造を考えながら, その習得をめざした。また, 用具等を利用することによって, 技の後半部分の「はね動作」の感覚をつかませ, 「もう少しでできるかも」と思えるような体験を繰り返させた。さらに, 全員が首はね跳びにチャレンジできるよう, 異能力グループでの活動で補助やアドバイスなどが活発に行えるようにした。その結果, 60名中46名, 約76%の生徒が首はね跳びを習得し, 生徒がその技術構造や練習方法, 器械運動の身体の捌きの感覚を掴むことができた。