学部・附属学校共同研究紀要 38 号
2010-03-31 発行

高等学校における「総合的な学習の時間」を活用したESDの展開

A Study on the Making Lesson Plan for ESD in the Cross Curriculum.
河野 芳文
全文
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AnnEducRes_38_99.pdf
Abstract
本研究の目的は, 広島大学附属高等学校における実践を通して, 学校教育にESDを導入するあり方を考察することである。ESDが教育現場に浸透し難い原因の1つは, ESDの対象が包括的である故に, どの教科においても既に実践しているとか実践可能と感じられる点であると考える。各教科で実践している(する)として, それらをどのように関連付け体系付けるかが学校として重要である。その点で, ESDを総合的な視野から関連付けて取り組む実践は先行研究として効果的である。初年次の本年は, ESDに特に関わりのある地理歴史科・公民科の8人の教師が順番に担当し, 教師自ら関心のあるテーマで教材化し, 実践した。生徒たちに8つのテーマからESDのあり方を問いかけ, 授業の底流に共通する理念を感じ取らせようと試みた。この研究は今後, ESDの理念を一層考察し, 地理歴史・公民科の中で発展させ, さらに複数の教科によるESDへ繋ぐことを目指している。