学部・附属学校共同研究紀要 38 号
2010-03-31 発行

中学生における歯周疾患実態調査

Status of periodontal diseases in Junior high school students
林 文子
鈴木 淳司
河村 誠
全文
1.39 MB
AnnEducRes_38_315.pdf
Abstract
歯周疾患は齲蝕とならぶ口腔の二大疾患である。歯周疾患は中高年に罹患者が多いとされているが, 若年性歯周炎のように10代から発症する場合もある。今回, 10代前半である中学生を対象に歯周状態について縦断調査を行う機会を得た。対象は2009年度に本学附属中学校に在籍した中学2年生で, 中学1年生時に歯周疾患に関する口腔内診査を行った生徒68名とした。口腔内診査では, Gingival index(GI), Probing depth(PD)およびBleeding index(BI)を測定した。その結果, PDはこれまでの報告と類似しており, GIおよびBIはともにこれまでの報告と比較し, 低い値であった。これは, 歯肉炎有病者率は高いが, 軽度の歯肉炎の者が多かったと考えられる。しかし, GI, PDは1年生時から2年生時に増加を認めており, 今後も悪化する可能性が考えられるため, 注意深く経過を追う必要がある。さらに, PDが4㎜あった生徒もいるので, 個別の対応を検討していく必要があると考える。