本研究は,家庭科における「つまずき」の実態を把握し,家庭科を学習するうえでの「つまずき」の要因及びその構造を検討することを目的とした。
研究方法はH大学教育学部の大学生を対象に家庭科の「つまずき」に関する質問紙調査を実施し,KJ法を用いて分析した。その結果,家庭科の学習項目の中でも,ミシンの使い方,玉結び・玉どめ,栄養教育の順につまずく頻度が多かった。それらの「つまずき」の要因としては①授業の前提となる知識・技術の不足②学習者の内的原因③不適切教材④教師の不適切な指導方法⑤学習機会が確保できないこと⑥学習意義の未理解⑦生活への一般化の7つに分類された。そのうち,「学習意義の未理解」「生活への一般化」は家庭科独自の要因と捉えられた。